- 川柳大喜利 第6回 総評
- 2016年12月27日
年越しが間近にせまる今日この頃。
皆様、いかがお過ごしでしょうか。
担当Hです。
第6回川柳大喜利の総評をお送りいたします。
西日本新聞さまと行っている当コンテスト、
来年でなんと4年目に突入することになります。
こうして続いておりますのも皆様のご愛顧のおかげ。
担当一同、本当に感謝しております。
こうして振り返ってみますと、当初の頃と比べ
最も目立つ変化は「お題」の内容でしょうか。
初期のころはあれもこれもとシチュエーションを限定するお題ばかり。
その出題は、あたかも詠み手の皆様へ挑戦するかの如し。
結果、難関を乗り越えた優れた作品が生まれる一方で、
作品のバリエーションが狭まっていた感がありました。
それを避けようと少しづつ要素を簡略化、
どんどんシンプルかつ抽象的なお題へと移っていきました。
結果、第6回のお題は「勇気」
ついにひとことまでいきつきました。
ただ、シンプルなだけのお題がベストとは考えていません。
皆様がよりよい作品を生み出せるよう、
シンプルで想像を喚起できるお題を目指し
またこれからも色々試したいと考えております。
来年以降も末永く、
お付き合いのほどよろしくお願いいたします。
さて、今回の応募作品の傾向について分類してみました。
①「勇気を出してやりました!」
実体験にもとづいた作品?のカテゴリー。
それが成功でも失敗でも、またほんの些細な事であっても、
踏み出した事はその人を表す歴史になります。
それが作品の個性になり作品を魅力的にしておりました。
②「勇気がでなくてやれません」
心に秘めた願望や個人的な訴えを川柳に託す、
いわば古来よりの伝統的な川柳カテゴリー。
個人の悩みや限定された状況が
人間味のある面白い作品を生み出しております。
③「世間の風潮に物申す」
②に近いですが、私事というよりは
世の中全体へ訴えかけるカテゴリー。
こちらは想いに共感はできるんですけども、
一歩引いた感がありやや薄味
もったいない気がしました。
>④「時事ネタ」
流行の話題をとりあげるカテゴリー。
ネタ自体に魅力がある一方で、一歩間違えると
「ああ、そんなネタあったなあ」
で終わってしまう危険性もあります。
ネタの提供以上の存在感を示せたかどうかが明暗を分けます。
選考の中では、①や②の中で、
ライブ感を感じる句が評価されやすかったと思います。
③や④の方ですと、同じテーマを扱うライバルが多くなりますので、
そこで抜きんでるためのプラスアルファが必要だと思いました。
皆様、ご応募ありがとうございました。
続いて、恒例の印象に残った言葉・表現です。
『ぬいぐるみ』
幼さを象徴する言葉。
人や動物に例えて使うとかわいい効果があります。
『きっかけ』
心を動かした物事を端的に表した言葉。
ドラマが挿し込まれます。
『かさぶた』
だれしもが幼少期の共通体験を思い出してしまう言葉。
傷の上にかぶさる存在というのも、実に意味深です。
『バンジー』
勇気を示す象徴。
飛び降りてギリギリのところで止まるところや、
宙ぶらりんになるところなどが状況にはまると
面白いたとえになると思います。
『諭す』
話し方の表現。
レパートリーとしておさえておきたい言葉です。
『倦怠期』
人の間のあれやこれやを匂わせる言葉。
そしてどう転がすのかが腕の見せ所。
『謎の』
僅かな言葉があらゆるものをミステリーに変えます。
想像の余地を広げる優れた単語です。
『チャイニーズ』
昨今は、海外からのお客様がすでに日常の一部になりました。
そんなご時世、「外人」とひとまとめに扱うのは物足りません。
この言葉には、時代に即した新たな句を生む予感を感じます。
以上です。
次回の川柳大喜利コンテスト開催は
1月3日からを予定しております。
告知は、弊社ホームページ上で行わせていただきます。
皆様のご応募お待ちしております。
最近、お水がとてもおいしい担当Hでした。
それでは、皆様どうか良いお年をお迎えください。